yamamototis1105’s tech blog

ネットワークを中心とした技術ブログです

ネットワークエンジニアによるAWS認定12冠達成に向けた取り組みと考え方

はじめに

 本記事は、ネットワークエンジニアがAWS認定12冠達成に向け、どのような取り組みを行ったか、どのような考え方で行ったか、自らの体験をまとめたものです。
(2023/10/1時点の情報に基づいており、また考え方や取り組みは人に依るところのため、あくまでも一例としてお捉え下さい。)

資格概要

資格体系

 ネットワークエンジニアにとっては、Advanced Networking Specialty (ANS) の関連性が最も大きいですが、その他にもネットワークの設計/運用/セキュリティなど関連する資格は多数あります。

区分資格ロール関連性
ファンダメンタルCloud Practitioner Fundamental (CLF)ラクティショナー★★☆
アソシエイトSolution Architect Associate (SAA)ソリューションアーキテクト★★☆
アソシエイトSysOps Administrator Associate (SOA)運用者★★☆
アソシエイトDeveloper Associate (DVA)開発者★☆☆
プロフェッショナルSolution Architec Professional (SAP)ソリューションアーキテクト★★☆
プロフェッショナルDevOps Engineer Professional (DOP)DevOpsエンジニア★★☆
専門知識Advanced Networking Specialty (ANS)ネットワークスペシャリスト★★★
専門知識Security Specialty (SCS)セキュリティスペシャリスト★★☆
専門知識Database Specialty (DBS)データベーススペシャリスト★☆☆
専門知識Data Analytics Specialty (DAS)データアナリスト★☆☆
専門知識Machine Learning Specialty (MLS)データサイエンティスト★☆☆
専門知識SAP on AWS Specialty (PAS)SAPスペシャリスト★☆☆

資格を取得する順序

 資格取得は、テスト範囲が被っている資格を連続して受験することがオススメです。

  1. CLF/SAAは、AWSサービス概要全体と考え方を押さえます。
  2. ANS/SCS/DBSは、どのようなシステムも関わ有用スキルのため、早期段階で身に付けることで、後続資格で繰り返し目に留めることになって、スキル定着化を図ります。
    ANSは、一般的にDirectConnectなどのサービスへ関わる機会が少なく難しいとされていますが、ネットワークエンジニアにとってはネットワークの経験がある分マシかと思います。
  3. SOA/DVA/DOP/SAPは、アソシエイトからプロフェッショナルへの流れで押さえます。
    DVA/DOPは、ネットワークエンジニアにとっては開発の経験が乏しく苦労するかもです。
  4. MLS/DASは、出題範囲が被っていますので、DBS/DAS/MLSの順に受けると良いです。
  5. PASは、オンプレミスからの移行が出題範囲のため、SAPの後で受けると良いです。

バックグラウンド

業務経歴

 業務経歴は、クラウドと関わりのあるプロジェクトへ携わることができて恵まれていました。

生活リズム

 生活リズムは、ほぼ毎日時間を確保するようにしつつも無理をしないようにしてました。

  • 平日は朝と夜の自由枠で勉強しましたが、フルリモートで通勤時間が無いことは大きかったです。
  • 休日は不規則ですが、テスト直前はカフェへ引き籠ることもありました。
  • プロジェクト繁忙期間やトラブル対応期間は無理をせずにお休みしてました。

資格に対する考え方

 資格勉強は、プロフェッショナルとして幅広く深い知識やスキル習得のための一手段だと思います。

  • 「資格を取得した」 からと言って 「仕事がデキる」 とは限りません。じゃあ資格が必要ないかと言うと、そういう訳でもありません。
  • プロフェッショナルとしてより優れた提案やデザインを行う上では、通常業務だけでは得られない幅広く深い知識やスキル習得が必要となります。
  • その実現方法の一つが資格勉強であり、その確認方法・証明方法が資格取得だと思います。

全冠を目指したきっかけ

 きっかけは、特に目標を掲げた訳でなく好奇心で始めたものだからこそ、やらされ感無く継続できたと思います。

  1. AWS All Certified Engineer 認定
    • APN企業は全ての資格を取得することで認定されますが、技術を売りにする自組織のメンバが居なかったので自分が頑張ってみようかなと奮起したこと。
  2. ネットワーク以外へ拡がる自業務
    • 自業務がネットワークだけではなくセキュリティや開発も関わるようになり、力試しで受けたセキュリティ試験も合格し、意外と全冠いけるかも?と調子こいたこと。
  3. re:Invent 2022での認定ホルダへ配布されたステッカー
    • re:Invent 2022にて自分が好きなレトロゲーっぽいドット絵のステッカーが配布されて、来年欲しいなあと思ったこと。

勉強方法

勉強の流れ

 勉強資材が多ければ合格率も上げるかと思いますが、勉強時間を抑えたく以下の通り絞りました。

勉強資材採用理由
書籍資格範囲のAWSサービスの概要や体系を学べるため。
AWSSkillBuilder無償かつ資格と関連するAWSサービス説明があり、問題も付いているため。
Blackbelt-業務でお世話になっているが、動画や資料のボリュームが大きいため。
(Blackbelt自体は素晴らしく、Cloudwatch動画などは勉強になりました。)
ガイドライン-業務でお世話になっているが、コンテンツのボリュームが大きいため。
Web問題集問題のボリュームがあり、より実践に近い問題にアップデートされるため。


 勉強の流れは勉強資材を組み合わせ、以下の通り進めました。

書籍

 書籍は「要点整理から攻略するシリーズ」「AWS認定資格試験テキストシリーズ」がオススメです。 ただし、全ての資格は対策本でカバーしてませんので、その他の技術専門書を参考にしました。

  • 書籍は1冊あたり約300~400ページですが、3~4日のペースで流し読みしました。
    読んだ時点で書いてある内容が理解できればOK、暗記しなくてOKとしました。
  • 問題集を解く中で、分からない/忘れたAWSサービス等があった場合に書籍を見返しました。
  • 時間都合上、原則としてノートやファイルにメモしませんでした。
    ただし、機械学習用語は見返すことが多かったので、1行説明メモを作ってました。

Skill Builder

 Skill Builderは「Exam Readiness」「Official Practice Question Set」がオススメです。

  • 「Exam Readiness」は、テスト範囲をカバーした解説と問題で構成されます。解説は流し読み、問題は1週目に1問も問題解かずに解答確認し、2週目以降に100%得点率を目指しました。
  • Official Practice Question Set」は、20の問題で構成されます。問題は1週目に1問も問題解かずに解答確認し、2週目以降に100%得点率を目指しました。
  • 1週目に1問も問題解かずに解答確認していた理由は、書籍や説明を読み終えた状態でも分からない問題が多く、勘で答えるなど時間の無駄だと思ったためでした。

Web問題集

 Web問題集は「CloudTech」「Web問題集で学習しよう(TechStock)」がオススメです。

  • 1週目に1問も問題解かずに解答確認し、2週目以降に100%の得点率を目指しました。
  • 問題数が多い場合は、最新200~300問程のみ実施しました。
  • 解説が分からない場合、最終的には理解することを諦めるなど、時間を費やさないことが大事です(結局、問題を覚えて解けてしまう)


 実際、各Web問題集を使ってみた結果は以下の通りです。

CloudTechWeb問題集で学習しよう(TechStock)
URLhttps://kws-cloud-tech.com/https://techstock.jp/
自ら試した
資格群
SOA/DVA/DOP/SAP/SCS/DBSDAS/MLS/PAS
問題・ 1セット7問と少なく短時間でも勉強できる
・ 1問ずつ正否判定される
・ 傾向と難易度は実際と同等
・ 1セット10問と少なく短時間でも勉強できる
・ 1問ずつ正否判定される
・ 傾向と難易度は実際と同等
解答・ 間違い理由の記載がある
・ 解説が短め
・ 間違い理由の記載がない場合がある
・ 解説が長め
費用・ 4,680円 / 3ヶ月(12資格)・4,580円 / 3ヶ月(12資格)
その他-
 
・ フラグ機能で特定の問題だけ再学習できる
・ 合格記があり安心感がある

テストの解き方

  • 時間が足りずに回答を見直しできないことがあります。そのような場合、熟読・熟考したい問題は初見でサッと回答しつつフラグを立てて、後からフラグ付き問題のみ見直すようにしましょう。
  • 最初から難しい問題が続いて心が折れることがあります。そのような場合、採点対象外問題であると自己暗示をかけて落ち着いたうえで、ベストエフォートで回答することに努めましょう。
    • 採点対象外問題は試験ガイドへ記載されている通り、今後採用可能かの評価が目的であるため採点されません。問題数が75問の場合は10問、65問の場合は15問が該当します。
  • 長文は読解するうえで時間がかかるし意味も分からないことがあります。そのような場合、AWSサービスや技術・要件キーワードを抽出し、AWS構成全体がイメージできるようにしましょう。

結果

 今までご紹介した勉強方法やテストの解き方を実践し、ペースは5ヶ月で10資格(2資格は元々持っていたもの)、自得点は合格点の平均1割増し以上で進めることができました。

区分資格取得日自得点合格点
ファンダメンタルCloud Practitioner Fundamental (CLF)2023/04/27867700
アソシエイトSolution Architect Associate (SAA)2023/12/23747720
アソシエイトSysOps Administrator Associate (SOA)2023/04/24816720
アソシエイトDeveloper Associate (DVA)2023/05/08849720
プロフェッショナルSolution Architec Professional (SAP)2023/06/27793750
プロフェッショナルDevOps Engineer Professional (DOP)2023/05/29829750
専門知識Advanced Networking Specialty (ANS)2022/07/11847750
専門知識Security Specialty (SCS)2023/04/10845750
専門知識Database Specialty (DBS)2023/05/15823750
専門知識Data Analytics Specialty (DAS)2023/08/11851750
専門知識Machine Learning Specialty (MLS)2023/08/29842750
専門知識SAP on AWS Specialty (PAS)2023/09/051,000750

まとめ

  • 資格勉強は、プロフェッショナルとして幅広く深い知識やスキル習得のための一手段です。
  • 勉強方法は、以下の書籍、SkillBuilder、Web問題集がオススメです。
    • 書籍は、「要件整理からはじめるシリーズ」「AWS認定資格試験テキストシリーズ」。
    • SkillBuilderは、「ExamReadiness」「Official Practice Question Set」。
    • Web問題集は、「CloudTech」「Web問題集で学習しよう(TechStock)」。
  • テストの解き方は、時間不足/高難度/長文読解といった問題に対して本記事を参考までに。

おわりに

 12冠達成によって何か変わったかと聞かれますが、まだ1ヶ月ですが変わったと感じることはなく、むしろ今までと変わらない新しい学びばかりです。
 AWSを勉強される方にとって、本記事の取り組みや考え方がご参考になりますと幸いです。