yamamototis1105’s tech blog

ネットワークを中心とした技術ブログです

AWS DirectConnectパートナー選定時のチェックポイント

はじめに

 AWS DirectConnectパートナー選定時のチェックポイントを見かけなかったため、自らの経験を踏まえて本記事で整理してみました。
(2023/10/31時点の情報に基づいており、またチェックポイントは人や組織に依りますので、あくまで一例としてお捉え下さい。)

チェックポイント

接続ロケーション

 接続ロケーションやエリアの障害による全断を回避するため、以下を確認します。

  • 冗長化されたDirectConnect同士で異なる接続ロケーションが選択可能か
  • 接続先オンプレミスサイトと近しいエリアの接続ロケーションが選択可能か

 接続ロケーションの対応状況は、AWSオフィシャルサイトで確認できます。

aws.amazon.com

接続方法/仮想インタフェース

 必要な構成要件を充足するため、以下を確認します。

  • 接続帯域を1G未満に抑えたい場合、専用接続だけでなくホスト接続やホストVIFが選択可能か
    AWS側は1Gで専用接続ですが、オンプレミス側が1G未満で提供されるサービスもあります。)
  • TGWで複数VPCへ中継したい場合、PrivateVIFやPublicVIFだけでなくTransitVIFが選択可能か
    (専用接続でVLAN多重、PrivateVIFでTransitVPC中継でも代替できます。)

 接続方法/仮想インタフェースの構成は、以下の通りです。

L2/L3サービス

 AWSに対するオンプレミスサイトの多重度に応じて、以下を確認します。

  • 1:1あるいは1:少数サイトで接続する場合、専用線やIPVPNによるL2サービスが選択可能か
  • 1:多数サイトで接続する場合、AWS接続+IPVPNによるL3サービスが選択可能か

 L2/L3サービスのメリット/デメリットは、以下の通りです。

L2サービスL3サービス
メリット・通信経路が論理分割されてセキュア。
・パートナー網のルーティング検討が不要。
・費用が安い。
・パートナー網のオプション機能が利用可。
デメリット・費用が高い。
・オンプレミス追加の都度AWS作業が必要。
・パートナー網のルーティング検討が必要。
 

回線メニュー/速度

 必要な性能要件を充足するため、以下を確認します。

  • 回線メニューとして、ギャランティのほかベストエフォートがあるか
  • 回線速度として、低帯域から高帯域までのラインナップがあるか

ルーティングパラメータ

 パートナー網内のルーティング機能に関して、以下を確認します。

  • DirectConnectが冗長化される場合、パートナー網のタイマやBFD仕様で切替時間は問題無いか、メトリックやコミュニティやオーバーライド仕様で経路制御は問題無いか
  • アドバタイズされるルート数がパートナー網の上限を超過する場合、AWSやオンプレミスのほかパートナー網内でフィルタや集約は利用可能か

その他

 パートナー網内の運用機能に関して、以下を確認します。

  • トラフィックやルーティングテーブルなどのメトリックや状態をモニタリング可能か
  • リンクやネイバーのアップやダウンなどのログを記録可能か
  • APIなどで情報取得や設定変更を自動化可能か
  • BGPなどのパラメータをエクスポート可能か
  • 故障発生やメンテナンス計画などのイベントを通知可能か

おわりに

 AWS DirectConnectパートナーを選定される方にとって、本記事のチェックポイントがご参考になりますと幸いです。